Speaker

行田克則
行田克則


フルマウスリコンストラクションから学ぶ

  「ナソロジーは今もって全盛期である!」と断言したいところであるが、時代を鑑みると難しいところである。私が曾て歯科医師になった頃はフルマウスリコンストラクションを早く手がけてみたいと憧れたものであった。私の師匠故五十嵐孝義先生はアメリカがナソロジー全盛期の頃オハイオ大学で咬合学を学び、また週末などはスチュアート先生あるいはローリツェン先生などの鞄持ちをしながら咬合の勉強をしていたそうである。私は大学院時代その五十嵐先生より咬合の教えを受けたことで、早くフルマウスリコンストラクションを手がけてみたいという思いになった。しかしナソロジーで求められるフルマウスリコンストラクションの精度は非常に高く未だこれを克服したとは言いがたい。また近年ではフルマウスリコンストラクションが必要と思われる患者も減少傾向にあり克服する術を失っている感も否めない。しかし一口腔一単位とする先進的なナソロジー本来の考えは、フルマウスリコンストラクション治療を通し多くのことを学ばせてくれた。もちろんナソロジーでの補綴によるフルマウスリコンストラクションとなると中心位からの治療となるが、補綴をおこなわない症例においての診断力もフルマウスリコンストラクションの経験の有無は予後を大きく左右させると考えている。以前は「フルマウスリコンストラクションはどうせ持たないでしょ」などと言われたこともあるが、どうでしょうか?少なくても経験のない先生より診断力が身に付いたような気がします?今回は咬合再構成についての演者の考えを報告したいと思います。