Speaker

青木薫
青木薫


 
チェアサイドにおける高齢者の口腔ケア

歯科疾患実態調査によると、成人以降の残存歯数は1980年代以降、増加傾向にある。
近年の研究では残存歯数が多いほど長寿となり、認知症の発症リスクも下がる事が実証されている。また、口腔は食の入り口であり、歯はそれを支える重要な器官である。咀嚼できるだけの十分な歯を残し、口から食事を摂り楽しむことは、QOLの向上、健康寿命の延伸につながるといえるだろう。しかしその一方で、残存歯数が多いということは、歯科疾患の危険にさらされる可能性が高くなることは否めない。特に根面う蝕と二次カリエスは厄介な問題である。近年、歯周治療が進歩して重度の罹患歯が保存できるようになり、同時に発生する根面う蝕がメインテナンスを困難にする。一般的なう蝕予防の考え方と高齢者のためのう蝕予防は似て異なるものである。口腔内外の機能的な変化、う蝕の好発部位の変化など、それに対策を講じるための知識が必要である。本講演では、少子高齢化が急速に進む我が国の歯科衛生士として、これらの問題を理解し、歯科医師への連携や患者さんへ提案するケアの方法などの対策をどのようにとればよいのかを検討したいと思う。